僧衣を脱ぐ日 私の名は英恵─ 新米の僧侶である 今は数件の檀家巡りを済ませて寺へ帰るところだ こうした寺と檀家への奉仕の毎日は何よりの生きがいだった 妻をとらず仏門に身をささげることを使命とも思っている 禁欲の日々も私には苦痛ではない…… お…おう… ─と その時木かげの中から男のあえぎ声が… おおおーっ 私は好奇心からのぞいて見たい欲求にかられた あっ…! それは浮浪者の発するセックスのあえぎ声だった… うおおおーっ!! 禁欲を実践する僧侶の私にとってそれは青天の霹靂ともいうべき光景だった… それも私が幾度となく夢想しては必死にふりはらってきた男同志の… パキッ 誰だっ!! 私はあわてて逃げた─ 彼らは行為を中止して追いかけてきた 私は必死で走った… しかし不覚にも股間のものが怒張して思うように進めず差はつまる一方だった この時… 私の心の中に彼らにつかまりたい思いがまったくなかったであろうか… ガッ 逃げなくてもいいじゃねえかよ え?坊さんよ はっ はっ 俺たちのやってるのを見たいんなら遠慮するなよ  仲間に入れてやるぜ バッ 私は彼らの手で裸にむかれてしまった… 誰にも見せたことのない素肌をさらし 褌の前を大きく盛り上げたあわれもない姿を… グイ! 坊さんにしちゃあいいものをもっているじゃねえか ひゃ〜〜うまそー バッ あっ…! ズブッ ああっ… へへへいいしまり具合いだ ペロッ まず俺からいただくぜ ズプッ 男のうちのひとりが私の中に一物をきしらせて入ってきた くく…! 禁欲に身をささげた私ではあったが 日々夢想していた男とのセックスが今現実のものになっていた… 初めて知る男の快感─  しかしそんな中でも脳裏ではやはり禁欲という文字がちらつき心は乱れに乱れていた しかし男たちの野獣のような行為に次第に頭はからっぽになっていった それどころか… 初めて肉と肉のぶつかり合いにいつしか私は自らの肛門をひきしぼり 己れの男根を激しく舐っていたのである 全てが終わった時─ 私は今まで築いてきた信念のようなものが崩れきった思いがしていた… この私が… 禁欲を礼賛しそれが仏の道と信じてきた私が… あのようなあられもない行為を… でかマラの坊さんよ 気がむいたらまた来なよ いつでもかわいがってやっからよ! ヒャハハ… 待ってくれ!! お… 俺を… 私は何をしようとしているのか…? 私は… バッ その日から私は仏門の生活を捨てた 本能のおもむくまま己れの欲望を充たしてくれる肉欲の世界を私は選んだのだった…