快楽の罠 山川純一 芸通企画 高杉君 また君に頼みたいんだよ 有名なおもちゃメーカーの社長さんなんだが 君のことを話したらおお乗り気でね 君はああいう中年にはほんとに人気があるからね 君も知ってのとおりあの会社と契約が成立することに 我社の社運がかかってるといっていい 君にその気がないのはわかっているが 会社のためと思ってわりきってくれたまえ むろん今回も相当の手当ては用意してあるからね いまはつらくともゆくゆくは君のためにもなることなんだからね それじゃあ今夜にも頼むよ このいけすかないブタ野郎め─ 一度だけという上司の命令でしぶしぶひきうけた男相手の売春稼業が─ 今ではもう当然のことのようにあつかわれている… バタン 部長のやつ俺のためだなんて言いやがって─ いったい何をしてくれた? コッコッコッ… 結局は会社の利益のためにていよく利用しているだけじゃないか くそー これじゃあ何のためにこの会社にいるのかわかりゃしない 今に見てろよ きっと見かえしてやる はあ… うーむ すばらしい肉体だ 島田君がすすめることだけのことはある おまけにその美貌だ 君はわれわれが求めてやまぬ理想の男性だよ 特攻隊に君と良く似た美青年がいたが わしとの一夜を最後に飛びたっていった… 美男薄命もあるものだと本当に思ったものだが彼もわしの理想の男だった しかし 君に抱かれる女性のことを思うと嫉妬さえ感じるよ 残念ながら女にはとんと無縁でしてね この助平じじいめ 俺のすごいのを見てとち狂いやがれ 女なんかのことより今夜の俺は社長さんのものですから こいつともどもよろしくお願いします う… うむむ… 平常態でこの大きさとは… ちょ ちょっと失敬するよ 薬を飲んでおいたほうがよさそうだ ガタ… 血圧が高くてね 興奮しすぎると命にもかかわると医者にも言われておるんだよ パチッ この年になるといつどこでポックリいくかわからないからね だからいつもこうしてもしもの時に備えているのだよ まったく年はとりたくないね あっ じゃあ俺はシャワーを浴びてきます クイ シャー あのカネ… 三千万はあったな 今の俺じゃあ逆立ちしたって手に入らない金額だぜ… ちきしょー おれもあんな大金にぎってみたいよ あのおやじ… 高血圧だって言ってたっけ チャッ わしもいっしょにはいらせてもらうよ 若い者の肌を見ながらお湯にはいる おつだねえ ジャボッ ふーっ いい気持ちだ パシャッ くるっ 高杉君… 社長さん 俺社長さんの体を見て興奮しちゃったみたいなんです 尻のほうも入れられたいらしくうずいてきちゃって… はあっ 俺も演技派だね まったく 高杉君…! ザバーッ 社長さん… お 俺もう… もう少しのしんぼうだ がまんしなさい ぐぐ… ぴちゃ ぴちゃ あ ああ… くぅ〜〜っ も もうだめです いきそう… よろしい 思いきり出しなさい! ぐっ! うおーーーっ!! ズバーーッ はあ はあっ べったり 驚いた すごい量だ… いやあ 若さだねえ うらやましいよ 君も疲れただろう ここいらで少し休もうかね だめですよ そんな! 前はすんでも後ろはまだなんですよ 社長さんだってまだなんだし 早くこいつの味を賞味して下さいよ ヒク ヒク… ゴクリ… ど どうも近頃は年寄りじみてきていかん… わかったよ高杉君 すぐに始めよう さあ 尻をもっと高く上げてごらん? うーむ見事な壺だ… まだ未開発の初々しさがただよっておる ペロペロ… クク… ああ 早く… そうか そんなのこの怒張したものがほしいか? 今すぐ入れてやるぞ ズイッ ああーっ!! す すごい 何というしまり方だ! むおおおおーっ グニュッ グニュッ ああっ 気持ちいいっ! も もっとかきまわして! たっ 高杉君 君はなんてすばらしいんだ わしは もうこのまま死んでも悔いはないぞ! そうだ もっと興奮するんだ! そしてそのまま天国に行っちまえ! そうすりゃあのトランクの中の大金は俺のものだ!! うっ!! あ… あ…? ぶるぶる ガクッ むおーっ 出るぞーっ ピシャッ おじんだから少ないの ムフー いやあ良かったよ高杉君 若い者につられてわしもいつになく興奮してしまった ズル… どさっ ん? どうしたんじゃね 高杉君? 高杉く… ゴロン… ひえーっ!! バッ 死んでる!? なんてこった腹上死させるつもりでがんばった俺が逆に昇天しちまうなんて これじゃあじじいの言った美男薄命が当たっちまったことになるじゃないか 高血圧の好色じじいの方が若い俺よりもタフだったなんてなさけない話だよ それよりももっとなさけないことは俺が狙ってた例のトランクの中の大金が子ども銀行券─ つまりおもちゃの紙幣だったってこと! このくえないおやじがおもちゃメーカーの社長だったことを 考慮に入れておくべきだったんだ これが因果広報というものかも知れないが悪いことはできないね それにしてもこんなあっけない死にざまが俺に与えれられた運命だったというのかい!?